top of page

桓武帝は今日も大変だ・2

 

 

 飲み会でのアホ話はまだまだ続く。藤原式家次男八男、それに永手がお邪魔します。

 

 

***

 

早良親王「・・・俺、兄さんの子供欲しい」

 

 

桓武天皇「ぶふぉっ」

藤原良継「ブッ・・・・」

藤原百川「げふっ、げふっ・・・」

藤原永手「ぶっ、はははは!そりゃまた随分大胆なおねだりだな!どうする帝」

桓武「・・ッ、おい早良!お前飲みすぎだ!もうやめろ!」

良継「早良親王、それはまず生物学の壁を突破しないと」

百川「そういう問題じゃないだろ良継兄さん」

 

永手「とりあえず、解体新書の出版を待ちましょうぜ早良ちゃんよ」

桓武「お前らも冷静になれ!俺と早良は兄弟だぞッ」

百川「そういうあんたも自分の発言には気をつけろ。それだと他人だったらまんざらでもないように聞こえる」

良継「あっはっは、いい点突くねぇモモちゃんってば」

桓武「百川ッ!良継も笑うなッ!てかそもそも常識で考えてあり得ないだろうが馬鹿め!」

永手「いや・・・?二人の愛さえあれば生物学とか解体新書コードなんて、割と簡単に突破できるかもしれませんぜ?」

良継「ああ、プラトニック・ラブってやつか」

桓武「性差!」

百川「・・・ここまで共に来た以上、いくら上司が弟と子供作ろうが従わねばならんのが陪臣の嫌な所だ」

桓武「百川ァ!色々透けてんだよ!てかそれ日常の本音混じってるだろッ!?」

永手「お、なんだ百川、天下取りたいって?だったらそこの帝をぶっ潰せ。ま、その前に皇族皆殺しにしないとお前が後で殺されるだろうがな、はっはっは」

良継「そんなの、なんかの宮中行事の時に食事に鴆毒でも混ぜちゃえば一発だよ」

百川「ああ、あの時と同じようにか」

良継「そうそう、まぁ、あれよりはもう少し大規模になるから、きっちり対象絞らないとだけど。余計なの巻き込んだら哀れだし」

百川「だな。前回は一人でよかったから」

桓武「話題が皇族殺しに移ってる!・・てかあの時っていつの話だ」

百川「貴方が知る必要はない。非難されるのは式家だけで充分だ」

良継「汚れ仕事などわれら式家に任せておけばいいんですよ、帝」

桓武「何かカッコいい事言ってるけど、つまりお前ら何をした」

永手「・・・・あー、分かった。あの下手人お前らだったのか」

良継「内緒にしてね。でないと、今度はお前が危なくなる」

百川「邪魔者と口封じは殺すに限るからな」

永手「大丈夫だ。流石に俺もお前ら敵に回すほど命知らずじゃない。・・・帝、あんた凄い奴らに見込まれちまったんだなァ」

桓武「何言ってんだよ百川ッ!それと永手ッ!てかやっぱお前ら、いちいち思想が危険だなッ!」

永手「俺は現実を示しただけだぜ?手段を示した式家兄弟とは一緒にすんなよ」

良継「いや、俺は実行はしないよ。そんな恐れ多いこと。また流罪になったら大変だし」

百川「良継兄さんは超下っ端に実行させて責任逃れするタイプだからな」

桓武「ちょっと待て、本当に殺す気か?」

良継「いやぁ、来世またこういう立場になったら、考えないこともないかも。その時は百川、頼むよ。人材は俺が集める」

百川「意趣返しというか、まぁ、悪くないな。策略で食ってる身としては、疼くものがある」

桓武「やっぱ危険だァ!!式家危険だァ!!」

 

 

早良「・・・あのー、何でそないに盛り上がられてはるん?」

全員『え?』

 

 

早良「俺、兄さんに女の子生まれはったら、その子貰うんのもええなぁ、って思っとったんやけど」

 

 

『・・・・・え?』

 

 

小説ホームへ

bottom of page